探偵マクスウェル

久しぶりの更新です.
いつか読もうと思っていた積み本を消化しました.

ガリレオの苦悩
著者  :東野圭吾
分類  :小説
総合評価  :★★★
文章    :★★★★
キャラ   :★★★
内容    :★★★★

内容は推理の過程・不可能犯罪の解決・犯人の動機の3点が非常に評価できる作品だと思いました.
情報が一気に与えられてその情報のみから事件を解くというタイプの推理小説とは異なり,捜査途中の情報もすべて提示され探偵役の物理准教授 湯川先生は捜査の次の方向性を支持するなどの行動も行います.
また,主人公が科学者であるため,科学者の考え方などに関する描写が幾つか含まれていますが,これらについて他の読者はどのような感想を持つのか非常に気になる作品でした.
僕は幾つか気になる点はあったものの賛同できることが多かった用に感じました.
僕が「ガリレオ」シリーズに対して感じた最大の謎は,
湯川先生は電磁気が専門っぽいにも関わらず,なぜ「ガリレオ」と呼ばれているのかということです.
「ガリレオ」だと天文か力学のイメージが強くなってしまい,湯川先生は天文の先生だと勝手に勘違いしてました.
「マクスウェル」とかそういった名前でない理由があるのだろうか?
僕はまだシリーズをすべて読んだわけではないので他の作品で明らかになっているのかもしれないが,その辺のところに注目して他の作品も読んでみたいと思いました.

空欄を埋めよ:人間より(   )が好き.

ミス・ファーブルの蟲ノ荒園
著者  :物草純平
イラスト:藤ちょこ
分類  :ライトノベル
総合評価  :★★★
文章    :★★★★
キャラ   :★★★
内容    :★★★★

タイトルから想像できるかもしれませんが,女性版アンリ・ファーブルが出てくるお話です.
今まで様々な作品で,いろんな歴史上の人物が性転換して来ましたが,ファーブルは見たこと無かったので目を引かれて買ってしまいました.
更に,ファーブルの性転換だけでなく,巨大な”蟲”が突如出現するようになったという世界観を加えてその中でファーブルが日本人の男の子に出会うという話です.
話としてはファンタジーかつバトル物という印象でした.
まだ,”蟲”の秘密に関してなど今後面白くなりそうな伏線もたくさんあったので今後に期待です.

裏切らても可愛いから許す

コミュ障は個性である.

裏ギリ少女
著者  :川崎 中
イラスト:TEL‐O
分類  :ライトノベル
総合評価  :★★★
文章    :★★★
キャラ   :★★★★★
内容    :★★★★

子供にだけ発言する能力であるバーグティーン(Vague teen)という能力モノ+青春学園モノというありがちな設定ですが,嘘つきとツンデレと裏切り体質そして抱擁の会というコミュニケーションに問題がある人の組み合わせという点で非常に面白いです.
ただ,そんな人達でもクラスみんなと仲良く出来るのに・・・ぼくと言ったら・・・という非常に鬱になって(ry

数学がある

数学ガール
著者  :結城浩
分類  :数学入門書?
総合評価  :★★★★
文章    :★★★★
内容    :★★★★★

なんとも評価しにくいのですが,ここは理系大学院生の意見として受け取って下さい.
本としては高校生にも配慮してあるので高校生でも読めるのではないでしょうか.
一言でいうと数学が好きになる本です.
かくいう自分も気がついたら1日こもって数式を追いかけてました.
気になる数式があるとそれを調べて追いかけて気がつくと知らない場所にいるというのはよくあることですよね!!
まぁすぐに脱線してしまうのは研究をしている身としてはいいことなのか悪いことなのかわかりませんが...
この巻では数列・級数を扱っています.
話の進め方としては物語にそって数学を学べるという何か不思議な形式です.
物語は,数学好きな3人の高校生の「ぼく」と二人の少女の話です.
この形式の利点としては主人公たちの思考まで順に追えるという点です.
よくある数学書はほぼ定理の羅列なのでその間を自分で結んでいかなくてはなりませんが,
この形式ではその過程すら追えるので比較的楽に読み進める事ができました.
唯一の欠点としては,物語があるので最初から順番に読んでいかないといけない点でしょうか.
なので,次は2巻を読むしか無いですねw

人は勝手にひらめくだけ

ひらめきを信じろ
感性を信じろ
我が道をゆけ
―― ひらめき学園校訓

独創はひらめかない―「素人発想、玄人実行」の法則
著者  :金出 武雄
分類  :実用書
総合評価  :★★★
文章    :★★★★
内容    :★★★

こういう本はあまり読まないのですが知人のススメで読みました。
著者は一流の研究者で、今はカーネギーメロン大学に所属しているそうです。
どうもこういう本を読むと色々ツッコミたいけど相手が本なのでツッコめないというもどかしさがありますね。
というわけでこの場を借りて色々突っ込みたいと思います。
1章:素人のように考え・玄人として実行する
研究に関する部分に関しては自分も感じるところがあるため感心するところが多かったように思う.
一方で発想の方は「素人発想」といっているが,この言い方に少し引っかかるとこがあった.
「素人発想」は「素人のように見える発想」であって「素人の発想」では無いということだ.
「素人発想」の例として,エディタソフトの「emacs」の設計が上がっていたが,「emacs」は非常に多くのカスタマイズができる.その点から言っても設計は素人の発想ではないだろう.
つまり,洗練されたアイデアがシンプルなのであって,イコール素人とはならないように感じた.
一昔前の家電機器の大量のボタンの例を挙げると,「一つの機能に一つのボタンを割り当てればいい」といった考え方の方が自分にとっては素人の発想に思えた.
2章:コンピュータが人にチャレンジしている
ここ数十年で大して変わっていないAIの考え方なのでノーコメント.
それほど大きなブレイクスルーがあったわけでもないので仕方ないのかもしれないが,
そろそろ(特に2000年以降の)新しいAIの考え方のようなモノが生まれて(広まって)もいいのではと思っています.
3章:自分の考えを表現し,説得する
世の中にはいろんな人がいるので結構難しいことの一つですね.
特に研究では様々な国の人が入り乱れるので文化的な違いを吸収するのは簡単なことでは無さそうです.
結局のところ違いを最も吸収するのが研究成果ということなのでしょうが.
あと,英語も共通ですが...
日本人は英文を副詞から始めがちというのは,今まで気付いていなくて意外でした.
今度,注意して見てみようと思いました.
4章:決断と明示のスピードが求められている
できれば苦労しないというやつですね.
全体を通して,自分が持った感想としては
アメリカ言ってみたいなぁ
ということでした.
なかなか時間を作るのは難しいですが,なんとかきっかけを掴んで行ってみたいと思いました.

アンチリテラル

情報系はよくシンクロする。
という経験則があります。
同じ分野であればシンクロするのは当たり前なんですが、
特に情報系は多い気がするのは気のせいなんだろうか

アンチリテラルの数秘術師5
著者  :兎月山羊
イラスト:笹森トモエ
分類  :ライトノベル
総合評価  :★★★★★
文章    :★★★★
キャラ   :★★★★
内容    :★★★★★

最終巻です。
最後に化けました。
出だしは若干急展開でどうなることかと思いましたが、
ラストでは伏線もほぼ全て回収して若干の余韻を残して綺麗に終わりました。
終わりが良い物語は良作として心に刻まれますよね。この作品は通して非常におすすめです。
今回の笑いどころはなんといっても「デルタ区間結界」でしたね、
敵がご丁寧に説明まで加えてくれています。
理系大学生にしかわからないネタでしたが、上手いと思ってしまいました。

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空が友達

アンチリテラルの数秘術師4
著者  :兎月山羊
イラスト:笹森トモエ
分類  :ライトノベル
総合評価  :★★★
文章    :★★★★
キャラ   :★★★
内容    :★★★

今回のテーマは・・・ゼロ?
とうとうネタに尽きて来たとしか思えないですが、
代わりに今回は雪名や誠一の過去について触れます。
また、アンデレのキャラはあんまり安定しないながらももう一度登場です。
物語的にはちょうど盛り上がってくるところですね。

因果律が乱れる

数秘術大全
Numerology
or, what pythagoras wrought
アンダーウッドダッドリー
訳:夏森樹
総合評価  :★★★★
文章    :★★★★
内容    :★★★★

数秘術、特にピタゴラスに関しての本です。
ピタゴラスについてよく知らない人は、ピタゴラスを数学者だという人が多いですが、
自分としては数学者的な側面ももちろんありますが、
どちらかと言うと秘密結社のトップや宗教の教祖といった印象があります。
この本は数秘術ということもあり、後者に重点をおいた本です。
こういった神秘主義系の本ではよく論理関係が崩壊していて読みにくいという事が起こります。
しかし、この本はそういった読者の気持ちを汲み取ってか
「神秘主義では結論が理屈を決定する」
と述べたあとで、地の文に関しては比較的論理的に書いてあります。
なので、普段こういった本(占い・宗教などの本)をあまり読まない人でも読むことができると思います。
さらに、こういう本には珍しく訳も非常に自然でした。

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コミュ障に優しい社会づくり

最近中二病は社会的地位を確立しつつあるので
この調子でコミュ障も社会的地位を確立したい(願望)

ビブリア古書堂の事件帳2
栞子さんと謎めく日常
著者  :三上延
分類  :小説
総合評価  :★★
文章    :★★★★
キャラ   :★★★
内容    :★★

栞子さんが退院した後の話です。
内容としては以前同様、お客の持ち込んだ話を解決するという話です。
今回は、少し栞子さん自身の過去にも触れます。
まだ、今後も話は続きそうなので、次以降どうなるのかが楽しみです。
また、個人的な感想としては栞子さんのコミュ障が少し改善しているように感じました。
ドラマ版は見ていないのですが、何やら相当設定が違うらしい。
代表的な所で、妹が弟になっていたり、栞子さんが入院してなかったりするらしい。
なんでそんなに設定を変えてしまったんだろう?

慣れる!SE

なれる!SE6
らくらく実践?サイドビジネス
著者  :夏海公司
イラスト:Ixy
分類  :ライトノベル
総合評価  :★★★★
文章    :★★★★
内容    :★★★★★
キャラ   :★★★★

今回は大きな一つの話ではなく、短編の集まりのような形式です。
どの話もSE関係の仕事をしたことがある人なら共感できるような話ばかりでしたね。
特に自分が共感できたのは製品の検証の話です。
この話は工兵たちが残念な機器を掴まされてしまった話です。
世の中には「これは製品としてもはや成り立っていないのでは?」とおもうような機器がかなりの割合で存在しています。
自分も過去にソフトウェアで一回ハードウェアで一回経験があります。
あの時は「このクソ機器がァー」とか言いながら壊してやろうかと思ったものです。
特にハードウェアでの一回は結局(二徹の結果)、ありとあらゆる方法を駆使して未だに稼働中です。
あと、副業の話もあんまり他人ごとだとは思えないことがしばしば・・・
さらに、面接の話は自分もいちおう就活生という設定なので思うところが結構ありました。