死神も変身する時は「フリップ・フラッピング!」みたいな掛け声がいるのだろうか

今まで数多く(少なくとも600以上は見ていることが最近判明しました)のアニメを見てきましたが sola はその中でも上位に入る面白さだったと思っています.

各キャラ(モブキャラ含む)が個性的で,それぞれ信念を持って行動し,それらが絡み合って最終的な結末に至る物語として非常に評価の高いアニメでした. ちなみに,作中で出てくる「トマトしるこ」は気になったので自分で作って食べたほどです(味はお察しください). というわけで,そんな sola の原作者である方の作品なので即買ってしまった作品の紹介です.

「現実世界のすぐ隣に存在する世界をとじることを生業とする死神の存在」というありそうでなかった設定のテンプレートをうまく作ったところにこの本の見所があると感じました. この本では主に二つの世界しか出てきませんでしたが,設定自体は汎用的なのでさらに多くの物語が創れそうだなと感じました・ また,テンプレ的でありながら,それぞれの世界の話では伏線あり,落ちありの飽きないストーリーになっているのも見所です. 小説的にも多くを語りすぎない感じで,それぞれの世界の話で最後に,「あれ?これってこういう解釈でいいんだよね?」といった感想を抱いて,つい友達と話したくなる内容でした.

まぁ話す友達いないんですけどね

本能的,生理的,一部性的な欲求と,願望に基づいて食べられたい

私は死ぬときは密室殺人で殺されるか,ヤンデレに殺されたいという願望を持ってますが, 死に関しては人によって様々な好みがあると思います(残念ながら一人一回しか体験できませんが).

安定と信頼の綾里 けいしワールドという感じですが, B.A.Dに比べるとやや軽めの内容で,ギャグパートが多めなのでよりライトノベル感が楽しめます.

主人公一家(全員怪物)と自称「食糧」の白咲初姫の化学反応の中で,比較的常識人である主人公の有坂有哉の東奔西走が見所です.

特に,白咲初姫の「有哉に食べられたい」という特殊な思考は,キャラを際立たせており,ストーリをより魅力的にしていると感じました. 理路整然かつ目的にまっしぐらな女の子がかわいいと思う人は初姫ちゃんを好きになれると思うので是非おすすめしたい一冊です.

人間とは元来コミュ障なのかもしれない

リアルが忙しくて,長らく本を読んでいなかったのでリハビリ中です.

フィクションの主人公は折れても立ち上がろうとするのに, なぜ現実はそんな簡単にいかないのかということを考えている今日このごろです. コミュ障だってコミュ障なりに頑張っている人たち(フィクション)を見て,今日も頑張ろうと思う僕なのでした.

この物語は主観がテーマになっており,同じものを見ても登場人物それぞれの視点によって違う様に語られています. 叙述トリック...とは少し違うが,登場人物のそれぞれの視点から見ることで事実が異なった見え方をするという不思議な体験を読者に感じさせる作品です.

登場人物たちのすれ違いを描いた物語でありながら, 「どこかでみんながそれぞれの主観を持ち寄って,同じ視点に立つことができたなら,何かできたのだろうか. 何も変わらなかっただろうか」という文章が印象的でした.

登場人物の数だけ物語があるというのは「文学少女」シリーズでも取り上げられていたテーマですが, この作品はまた別の観点・形で表現されているので,「文学少女」シリーズが好きな人は好きになれる作品かと思います.

あと,ちょこちょこ出てくる主人公の書いた小説「ヘンテコ王子とナントカ姫」の内容が気になる

いい,人生だった

2017年最初の更新です.

今年はいろいろな意味で転機になりそうな一年なので,新しいことに挑戦していきたいです. ということで昨年度から読み続けているシリーズもいよいよ大詰めの段階に入りそうです.

いい最終回だった.(まだ最終巻ではないです)

繭墨あざか最後の事件と銘打った事件の話です.

一巻の子宮落下事件ともつながる事件が最後の事件です. まさか,内臓の落下に始まり内臓の落下に終わるとは...

そして,とうとう紅い女と直接戦う話です.

また,これに伴って,あさととの過去の話に決着をつけたり, 「チョコレートだけを食べて,生きていける人間なんてこの世の中にいるものか」というこの物語最大の謎ともいえるこの疑問に,物語の根幹をゆるがすまさかの真相が明らか?になったりします.

「肉を食べる友達がいない」

「肉を食べる友達がいない」という文字列をどういう風に解釈するだろうか?

本来なら,「肉を一緒に食べにいく友達がいない」という意味なのだろうけれど, 「友達の肉を食べたいのだけれど,今ちょうど食べごろの友達がいない」という意味に解釈してしまった. ブラックな小説を読んでいるとこういった変換がスムーズにできるようになるらしい.

今回は,「人の肉を食べて自殺する晩餐会」という今までにも増して,アレな感じです.

「人の肉を食べる晩餐会」でもなく,「自殺する晩餐会」でもなく 「人の肉を食べて自殺する晩餐会」なところが流石で,11巻まで読んできた読者を飽きさせないところが素晴らしい.

物語も,今までの話をまとめに入っている感じで,綾の話や小鳥の話にほぼ決着がつく話もあります. 紅い女の目的も明らかになり,いよいよ最終局面という感じです.

妹さえいればいい.また,妹は何人いてもよい

昔は,「妹がいると妹萌えしない」は正しいと思っていましたが, 今では「妹は何人いてもよい」という真理にたどり着きました.

ライトノベル作家のライトノベルという最近流行ってる気がするジャンルを一冊読んでみようということで選びました. 妹好きのライトノベル作家の話です.

有名なライトノベルのネタやらTRPGやら,現代的なネタが多く,非常に楽しめました. また,巻末に,有名なライトノベル作家のコメントがあり,この作品についていろいろ思うところを語っている部分は非常に興味深いものでした. 割と,ストレスなく気軽に読めるので,現代人にお勧めの一冊です. ただ,こういうライトノベルはたまに化けることがあるので,続きも気になるところです.

ここじゃないどこか別の世界に行きたい

周囲の「就職決まったの?」攻撃に耐え続けている今日この頃です.

タイトルで面白そうだなと思って読んでみました.

人間に寄生する花と人間が共に暮らす世界で,花の宿主となった人間は人間の時の記憶を失って, 花を咲かせるために行動するという少し変わった世界のお話です. かなり独特かつ複雑な世界観にもかかわらず,自然とそれらを説明しており,前半部分はスラスラと読み進めることができました. 後半部分では, 「主人公が宿主と戦う理由」や「宿主にとっての『幸せ』となにか」といった世界観に根ざした問題に対する 主人公の葛藤を描いており,主人公はいったいどういう人間なのだろうかと考えさせられながら読むことができました.

全体を通して,設定が練りこまれている印象を受けたので, ファンタジーっぽい一風変わった世界をリアルに描いてる作品が好きな人にお勧めできる一冊でした.

Kindle unlimited 始めました

Kindle unlimited って微妙に本の数が少なかったり,検索がしにくかったり何の本を読んでいいのか迷っていましたが, ライトノベル(特にガガガ文庫)の一巻が多く読めるので,それだけでも結構価値があるのではと思いました.

以前,読んだ「こうして彼は屋上を燃やすことにした 」が良かったので, この機会に読んでみました.前とは全然違って,「七日の喰い神」は現代ファンタジーで,ややコメディー成分が多めになっており,よりライトノベルっぽい作品になっており,気軽に楽しめる本でした.

内容は,祈祷師の主人公が”喰い神”の少女ラティメリアと仲間でも敵でもない微妙な関係のもと,他の神”マガツガミ”と戦う物語です. 独特の世界観と冷酷な主人公とラティメリアの一風変わったコンピが見所です. ちなみに,皆思うことだと思いますが,ラティメリア能力「食べた相手の能力をコピーする」ってすごいカービィっぽいと思った

思い出の「思い出のマーニー」

「思い出のマーニー」の映画が2014年だということに衝撃を覚えている今日この頃.
その時,映画を見たのは偶然だったので,よく覚えています.
もともとは,新海誠の一括上映を見に行こうと思っていたのですが,電装トラブルで中止になり,
何もせずに帰るのもあれなので代わりに「思い出のマーニー」を見たという経緯でした.
その後,小説を読もうと思っていたのですが,やっと,思い出のマーニーの小説版を読むことができました.


小説と映画を両方見ましたが,基本的に物語の大筋は同じでした.

概要としては,序盤は,周囲と距離を置いていたアンナが,田舎に移り,マーニーと出会う.
その後,マーニーが実在するのかどうかすら最初はわからないが,マーニーとの出会いや話題を通して,アンナが次第に周囲と打ち解けていくというストーリーです.
最終的には伏線なども回収されており,物語としてのまとまりは非常によい作品でした.
初めに,映画を見たときは,ミステリー脳なので,マーニーが何者なのかというのを考えながら見ていました.
映画では小説版の細かい部分などを削り,舞台を日本にしていたりと見やすさへの配慮がかなり行き届いている印象でした.

また,小説版ではなかった(金髪でドレスを着た)人形を持ったアンナなどの回想などでミスリーディングをしている点もミステリー好きとしては好印象でした.
一方で,アンナの「普通の顔」といった周囲を拒絶している描写は小説版の方が強く出ているという印象を受けました.

「数理論理学少々」を「数理論理学少女」と空目した

事件を数理論理学的な視点から解決するという独特な一冊です.

単純な推理小説としてみても,読者も推理可能な,いわゆる本格推理小説です.
比較的短く単純化されているにもかかわらず,簡単には解けないような事件を扱っており,推理を楽しみながら読むことができました.
また,数理論理学的な視点から推理をするという,推理の方法論自体を描くという点は,古くからあるホームズ等の推理小説に通じるところをを持ちながら,数理論理学というそういった探偵にはない新たな道具を使うところに新しさを感じる一冊でした.
むしろ,推理と論理学ってかなりつながりの深い二つなのに今までこういった本がなかったのが不思議なくらいでした.(私が知らないだけかも)

さらに,物語全体を通して,「伏線回収の掟」がしっかりできており,面白いなと思ったのは「伏線が回収」できていないというのを作中で指摘ことによって,「伏線を回収」するところでした.

数理論理学と推理を結び付けようとすると実際難しいところも多々あるような気がするにもかかわらず,
この本ではすごくきれいにまとまっており,推理小説好き,特に,今までなかったような推理小説を読んでみたいという人にはお勧めの本でした.

=========== 以下 推理メモです.メモなのでぐちゃぐちゃです ===========
=========== ネタバレを含むので注意 ===========

数理論理学について
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吹き漆の座卓の上に,一枚のメモ書きが残されていた.
論理式の充足問題→私は台所の戸棚の上にいる

硯さん
超高偏差値女子高校→T大,論文がフランスのパリ数理科学財団の会員の教授の目に留まり,請われてフランスの大学の研究機関へ,論文の引用件数が日本人で年間トップ
フランスの金融機関に就職
退社してセミリタイア生活

硯さん曰く論理学は「すべての人間の思索活動の頂点に立つもの」

「構文(シンタックス)は理解している.意味内容(セマンティクス)が理解できない」
「論理学を学べばもちろん論理的思考力も鍛えられるけれど,目的はそこじゃない.論理学の究極の目標は,人間の思考を支配する法則を明らかにすること」

仮言三段論法
A->B B->C => A->C
定言三段論法
A=B B=C => A=C

普遍記号学
ライプニッツが二十歳で書いた「結合法(デ・アルテ・コンビナトリア)」

1928年「現代数学の父」ともいわれる著名なドイツの数学者,ダフィット・ヒルベルトは,数学のどんな命題も真偽を証明できる,矛盾のない数学体系を構築する計画を提唱した.それがいわゆる「ヒルベルト・プログラム」.
けれどその計画に否定的に答えてしまったのが,クルト・ゲーデルの「不完全性定理」.
1931年,ゲーデルはこの「不完全性定理」を証明することで,ヒルベルト・プログラムが達成不可能であることを世に示してしまった.

「私は美人だからモテる」という文章は二つの命題からの思考プロセスの短縮形
– 私は美人である
– 美人ならばモテる

ヒルベルト公理系
ウカシェヴィチの公理:3つの公理と一つの推論規則(Modus Ponens)
ゲンテェンの自然演繹(NK):一つの公理と複数の推論規則.人間の普通の考え方に近いので「自然」

各命題を真偽の検証が可能な粒度まで落とし込むこと.
まずは論理を検証可能な公理にまで分解し,次に公理から結論が導出できることを形式的に証明し,そして最後に公理が正しいかを確認する,
それが「検証」のステップ

スターアニス事件
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同級生のゆりに誘われてパーティに参加した.

どんな行為が「故意」で,どんな行為が「偶然」かが公理に定義されていること
実際にあった「スターアニス誤食事件」と状況が酷似

スターアニス(八角):中華料理屋東南アジアの料理によく使われるスパイスの一つ
血行促進効果があり,料理のほかに医薬品やアロマの精油にも使われるが,一説には子宮の収縮作用が懸念されていて妊婦や子供が過剰に摂取することは勧められない.
パクチーと同じく個性的な風味
日本には自生しない

「しきみ」の木(ジャパニーズスターアニス):日本に自生しているスターアニスによく似た実をしている.強い毒性を持つ.

問題
スターアニスと「しきみ」を間違えたのが故意か偶然か

動機は数理論理学による推理では利用しない
– 動機の接続詞は論理記号ではない
** 「だから」や「ために」は論理記号に存在しない
– 動機は恒真的事実ではない

あやめさん
探偵役
人の行動原理を人よりも丁寧に考える
「所詮は人間同士,そこまでわかりにくいこともありません.少なくとも,お花の気持ちを知るよりは」
硯さん「見た目清純派の,謎解きが得意な美人花屋店長さんなんて,ちょっとあざといくらいの設定だよね.文庫化して一般受けする表紙にしたらそれなりに売れそう.タイトルは「花屋探偵藍前あやめ~キンモクセイは秋に二度咲く~」みたいな感じで.最後は必ず花言葉でシメるんだよ」

被害者は妊娠しており妊娠
パーティの参加者から妬まれていた

あやめさん説
「もし被害者の妊娠を邪魔するのが目的ならスターアニスだけで十分だった」
「スターアニスの花言葉は「活力」.もしかしたらカフェの店長さんは本当に他意がなかったのかもしれないね」

故意
確定的故意:相手が死ぬ可能性を認識していたにもかかわらず,あえてその行為をしたかどうか
予見可能性:相手が死ぬ可能性を認識していたこと
反対動機の形成:やめることができたこと

硯さん
櫁川さんはパーティ中に庭にあるスターアニスを食べたことがあると嘘をついたため,法律は上は故意に当たると指摘.

イタリアンレストラン事件
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中尊寺先輩
謎中毒者:(addicted to riddle)
経営戦略コンサルタント
毒舌
「まったく.お前にはがっかりだな.がっカリーというカレーを食品メーカーと共同開発したいくらいだ」
PDCA:Plan Do Check Action,仮説,行動,検証,仮説の改善
PDCAサイクルを継続的に回すことで,人類はここまで発展してきた.
ポアロが助手のヘイスティングスに向かっていったそのコーヒーの茶碗には「ストリキニーネが入っていたか,あるいは入っていなかったか」のどちらかなんです!とな
MECE:Mutually exclusive, collectively exhaustive:重複なくもれなく

イタリアンレストラン「アマトリーチェ」の従業員:中川さんとその友人Bと店長
アマトリチャーナ風ブカティーニ
→トマトソースが跳ねやすい
Bさん:白いブラウスの20代のかわいらしい女性
→ずっと片手で胸を押さえていた
人の出入りが激しく容疑者は絞れなかった
イタリアンレストランの従業員は特注で5本しかないネクタイを,珍しいネクタイの結び方クロスノットでしていた
被害者はネクタイで絞殺されていた

被害者が犯行時ネクタイをしていなかった.トマトソースのはねたシミを隠すため,中川さんはBさんにネクタイを貸した
被害者はネクタイで絞殺されていたので,被害者のネクタイではなく犯人のネクタイ,つまりネクタイを持っており,犯行をするチャンスのあった第一発見者の店長が犯人

硯さんのコメント
「はたして中尊寺さんは本当に「被害者がネクタイをしていなかった」ことを証明したのかな?」
「中尊寺さんが証明したのは「被害者がネクタイをつけていなかった」ことではない.「ネクタイをつけていたのは被害者ではなかった」こと」
対偶の証明

含意の論理記号には多くのパラドックスがある.
「必然性のパラドックス」:前提が偽だと常に真
「因果関係のパラドックス」:時間関係が絡むとあり得ない対偶が出てくる
「カラスのパラドックス」:ヘンペルのカラス,対象を観測せずに対象について証明できてしまう「危うさ」
総じて「実質含意のパラドックス」

中尊寺先輩の推理では対偶を用いていた.
命題中の時間軸がずれていてはたとえ現実世界でも排中律は成り立たない.
「中川さんが被害者ならば中川さんはネクタイをしていなかった」のならばの前後の時間軸が違う可能性を指摘.

硯さんの推理
第三者の実行犯Yが友人Bと共犯で殺人を起こした
「中川さんが殺されたのち,ネクタイを奪って中川さんのふりをして,友人Bと接触,その後犯人はネクタイを持ち去った」
この仮説が正しければ,犯人がクロスノットを結べず,防犯カメラにそれが移っている可能性を指摘

*一つになるのは何故犯人はこんな手の込んだ真似を

雪の洋館事件
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レヴィ・ストロースの研究を引用するなら,人間社会の婚姻制度は数学的な群の交換として構造的に記述できる.
その交換ルールをどこまで許容するかは偏に所属する社会の...

探偵:上笠
未来予知能力:7つの大罪の象徴によって,将来起こる不吉な出来事を予見
予見した事件の犠牲者に聖痕が見える
オリガ:腕をけが:両腕が使えない
イリナ:足を怪我
蓮華:館の主
周防:蓮華のマネージャー,オリガやイリナとは初対面

蓮華さんが離れの自室で絞殺
雪は11時には降りやんだ
0時:蓮華が部屋に戻った
0時:周防さんが自室からオリガまたはイリナを目撃
朝6時過ぎ:周防さんが自室からオリガまたはイリナを目撃
庭には一人分の往復の足跡
死亡推定時刻:朝5時~6時
→双子のどちらかが犯人

– 周防さんはイリナかオリガかはケープをしていたため腕は見えなかった
– イリナは午前3時までと6時以降のアリバイがある
– オリガが紅いケープを持っているが,最近見ていない
– 足跡は一人の人間が一回しか踏んでいない
– 足跡に合致する靴は一つしかない(今日初めて来た人の靴を使った)

探偵は5時以降大広間にいた
周防さんが自室に戻るには大広間を通る必要があった

チェーホフ4大戯曲のひとつ3姉妹
オリガ,マーシャ,イリーナ

チェーホフの銃
もし第一章で壁にライフルが掛けてあると述べたならば,第二章か第三章でそれは必ず発砲されなければならない.」
使わない伏線は張ってはいけないという,俗にいう「伏線回収の掟」

聖ペテルブルクのパラドックス
期待値計算が無限大になってしまうが,高い値が出るのは低い確率なので実際にはそれほど大きな値は出ない

探偵:上笠の推理
周防さんが偽証
周防さんの部屋の窓からスタートして部屋の窓まで戻ってきて,窓から自室に入った.

硯さんの推理
三往復した
オリガ(行きを目撃),イリーナ,オリガ(帰りを目撃)
三往復の足跡を互い違いにすることで,一往復分に見せた.

周防さんの曖昧な目撃証言に様相論理を取り入れた
#古典でも行けない?

かみつく蛇
レヴィアタンの隠喩「嫉妬」

最後
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一章のゆりに話すべきか否か,2章のPDCAサイクル,三章の三姉妹

スラブ人画家のアルフォンス・ミュシャは四つの花とされる連作絵
バラ,アイリス,カーネーション,ユリ

「のばら」という名前の母が,子につけた名前があやめとゆりで「なでしこ」が抜けていることを指摘
1番目の事件の被害者が「なでしこ」であった.
2番目3番目の事件はともに被害者一人,犯人二人という配役.まず犯人が特定されず,次に別の人間に嫌疑がかかるという二段構えの構成
主人公は硯さんに自分の立てた計画犯罪に穴がないかを検証させていた.
実際の事件をベースに計画を立て,中尊寺先輩や上笠さんに話して推理を聞き,そこからもう一度練り直して,硯さんにチェックしてもらっていた.