自分が見捨ててしまった人間が破滅することを恐れている系主人公とかってあるのかな

久しぶりにライトノベル読むと、登場人物がみんな若いのにスゴイってなるよね

多くの小説が、内容的な意味で奇をてらっている中で、 何というかこの本は構成自体が奇をてらっている感じで、かなり新鮮な気持ちで読むことができました。 あと、珍しく(?)タイトルがあんまり内容をそのまま表していないタイプのラノベでした。

特に、この本で語られない以前の事件が気になりすぎます。 以前の事件を経てきて、最初からキャラクタ間の信頼関係が高いことで、安心して見られるキャラクタ間の関係性も魅力の一つかなと思いました。

そう、ボコノン教ならね


友人との会話で出てきたので勢いで買った小説です。
割と奇書に近い気がしますが、奇書の中では読みやすい方だと思うので、奇書初心者にオススメできる一冊でした(?)。

前情報として、架空の宗教であるボコノン教というのが出てくると聞いていて、
話のスパイス的に出てくるのかなと思っていましたが、
思っていたより、かなり話全体の根底にあるものでした。
内容としては、あらゆる液体を固体化する「アイス・ナイン」という物質が出てきたり、
いろいろな出来事があるのですが、
総じて、ボコノン教を絡めてのユーモアのある話というところに落ち着いているかなと思います。
架空の宗教だと、空飛ぶスパゲッティ・モンスター教とかが有名ですが、そういうのに興味のある人は楽しめそうかなと思いました。

推理小説の免罪符

本屋さんで、「おはなし推理ドリル」なる小学生向けの読解力向上用の教材があって、すごいよくできた教材だった。 最近は推理小説で、作者の気持ちとかのふわっとした話ではなく、 トリックなどの明確に正解のある問題を解くことによって読解力や論理的な思考を楽しく、養ったりできるのかーと思って

著者名は早坂吝(はやさか やぶさか)と読むらしい。 殺人事件の名前を推理するという新しい趣向の推理小説です。 特に、前書きがかなり面白いので、ぱらぱらと前書きを読んでみて買うかどうかを決めるという買い方をお勧めしたくなる一冊でした。

殺人事件の内容的には、あんまり推理可能という感じはしなかったですが、 あらかじめ前書きなどで予防線を張ることによって反論を封殺するという意味でも面白い趣向だと思いました。

若者との文化の断絶

若い人の話とかに徐々についていけなくなりつつあるけど、 ロリコンをこじらせると若者文化の影響を受けて理解できるようになるのだろうか。 あと、最近HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を買ったのでVRを試してみたら、思った以上に臨場感があってびっくりしました。

テレビ室(壁面のスクリーンによる視聴者参加型のメディアらしい)なるものや映像コンテンツによる情報のが広まり、 加えて情報統制のようなことも行われているというディストピア感のある世界観です。 本の必要性が少なくなった結果、本を所持しているだけで捕まってしまい、本も焼かれてしまうというものです。

だいぶ、象徴的な物語で、冷静になると、なぜ焼く!?普通に処分しろよって思うような部分もあります。 おそらく当時の状況に合わせた風刺なのでしょうが、現在にもある程度当てはまるのでしょうか。

最近となってはVRなんかも出てきて映像コンテンツがほとんどになりつつありますが、 依然として本も重要なメディアであることに変わりはないという印象ですね。 むしろ、テレビの方がネットとかユーチューブの登場で危ないというのが現実ですね。

人々が情報統制を嫌ってこういった媒体を選択していくことに人類への可能性を感じる今日この頃です。

Vtuberビッグブラザー

現実の社会って、二足す二を四だといえる自由ありますかね。

思想警察などが出てくるディストピアものの代表みたいな作品です。 いろいろ面白い要素が出てくるのでそれぞれの感想を列挙してみたいと思います。

  • テレスクリーン
    映像の配信と監視を同時に行う装置らしい。現実だと監視カメラとスクリーンで別々の機械としてあるけど、どうしてこれらをくっつけようと思ったのかは気になる。
  • 二分間憎悪
    「人民の敵」の映像が流される番組で、言論の自由などを主張するエマニュエル・ゴールドスタインや戦争の敵国などを同時に流し、人々がこれらを罵ることで、恐怖や憎悪といった感情を高ぶらせるためのもの。 あまり意識したことなかったけども、なかなか面白いアイデアだなと思った。現実でもこういうことを考えて政治番組みたいなのってデザインされてるのかな。 ちなみに、エマニュエル・ゴールドスタインが実在するのかは結局わからないという結論でよかったのかな・・・
  • プロレ
    社会のシステムは、プロレと党員という二階層に分かれており、党員は行政等の役割につき、厳しく監視されており、プロレはそれ以外の監視されず搾取され低い生活水準の生活をしているという社会です。 最後まで、あまりプロレの活躍はなかったけども社会システム的にプロレを監視しないで放置するっていうのはどうなんだろと思った。
  • 二重思考
    「二重思考とは一つの精神が同時に相矛盾する二つの信条を持ち、その両方とも受け容れられる能力のことをいう。」 たまに、政治家でダブルスタンダードだな。と思うことはあるけども、逆に、これを人民に教育するっていうのは発想の逆転だなと思った。ある意味この作品の世界観を成立させるうえでなくてはならない考え方なのかなと思った。 まあ、これを認めてる時点でかなり多くの命題がまかり通ってしまうので、「二重思考」便利すぎるなという感じはした。
  • ニュースピークス
    思考は言語に制約される。という考え方をほんとにやってみたという言語。政策に都合の良い文章は自然になり、都合の悪い文は不自然になるといった言語で、巻末にかなり詳細に解説があるので、誰か文章とか正確な再現みたいなの作ってそう。

世の中世知辛いのじゃー

有名小説家の伴侶のヒモになってニート的な生活。あこがれるような、そうでもないような。

最近、よく見かけるようになった超能力+推理ものです。 今回は制限アリの瞬間移動能力を使って殺人を企てるという犯人視点での物語というのが少し面白いところです。 特に、主人公はカリスマ的な犯罪者ではなく、 素人かつヒモの男性で、かなり多くのミスをしているのが面白いところです。 多くのミスや偶然の中で真実がどうなっているのかを推理していくという進み方になるので、 普通の推理小説かと思うと少し肩透かしを食らってしまうかもしれませんが、少し変わった小説が読みたいといった人におすすめの一冊です。

まっとうな人生

同期と会ったり、同窓会に行ったりして、まっとうな人生を送っている人たちと会話する年末年始でした。

前回からの続き。今回は中二病はやや控えめで、起承転結の「承」にあたります。 エネミーとの闘いというものに焦点を当てており、タイトル回収もあるので今後のシリーズの土台ともなりそうな一冊でした

中二病マントっていつからあるんだろう?

2017年は後半、リアルが充実しすぎていて全然本を読めていなかったので、来年はもうちょっとゆとりを持っていきたい

久しぶりに細音啓の作品を読みました。 今回はザ・中二病みたいな最強主人公と最強の妹(怪物)と組んで、他の怪物たちを倒していくというストーリーです。 見どころはやはり細音啓ワールド特有の正体不明の敵と戦っていく世界観です。 この一冊でしっかりとまとまりつつも、まだ語り切れてない謎も多くありそうで、今後も非常に気になるシリーズになりそうです。

ヘーキヘーキ、ゲームによって魅力のあるとこ違うから

週末何してますか?忙しいですか?積みゲーを消費してもらっていいですか?

ということで,週末に積んでたゲームをプレイしました.

独特な雰囲気とあふれ出る地雷臭に惹かれて買ってしまった.

買ったときの期待値はそれほど高くなかったのですがプレイしてみると意外と面白くておよそ2日で1週目クリアしてしまいました.いわゆるデスゲームものです. とある理由から主人公がデスゲームに積極的で他の人間を殺しに行くのは面白かった. 「次はだれを殺しますか?」みたいな選択肢にはつい笑ってしまいました.

タイトルにもなっている「選挙」パートは所謂「ディベート」をコンピュータとやることになるのですが, 基本的に議論に合った選択肢を時間内に選択するというものになるので,ゲームの限界を感じてしまった. アイデアとディベート用チャットUIは面白いので,これを実際の人間同士でやってみたら面白いかもしれないと思いました 総じて,ゲーム性は微妙だけどストーリーとかアイディアは面白いので,そのあたりを重視する人にはお勧めするゲームでした. あと,音楽もクラシックをベースにしていていい感じでした.

パッケージにはノーリちゃんが大きく出てるけど,物語的にはアリスの方が重要っぽかった. 個人的には,もうちょっとノーリちゃんの活躍が見たかった.

「選挙」のディベート用チャットUI作れそうなので作ってみたい気もするけど, このゲームを知ってる人にしか通じないところが悲しいところ

没個性な殺人鬼

引退して体を動かせなくなり入院中の検視官ライムと彼に指名されて急遽検視を手伝うことになった女性巡査サックス(父親はパトロール警官としてずっと務めていたため万年巡査と呼ばれていた)がタッグを組んで犯人(ボーンコレクター)を追う話です. 推理小説にしてはちょっとキャラ盛りすぎだろっていうぐらいの個性あふれる主人公たちが見どころです.主人公たちのキャラが立ちすぎて犯人のボーンコレクタのキャラがだいぶ薄くなってしまっているのはご愛嬌.

主人公は安楽椅子探偵ですが,サックスと協力することで割と動き回り,かつ,検視のやり方や心得のようなものも詳細に書かれているので,検視版ホームズといった印象を受けました. ホームズ系が好きな人(シャーロキアンがこの本を好きかどうかについては言及しない)は楽しめる一冊かと思います.

タイトルが主人公側ではなく犯人側なので推理小説っぽいタイトルだけど,
「万年巡査の娘と死にたがりの検視官」みたいにするとラノベっぽくなるなとどうでもいいことを思っていました.