食べるということ,孕むということ





B.A.D.5
繭墨は猫の狂言を笑う
著者  :綾里 けいし
イラスト:kona
分類  :ライトノベル
総合評価  :★★★★
文章    :★★★★
内容    :★★★★
キャラ   :★★★★

今回は狐を異界においてきた後の話がメインです.
狐がいなくてもなんだかんだで狐の影響を受けた人はいるわけで,
自ら化け物を名乗り,狐の模倣をする猫(神宮ゆうり)も現れ,
その関係で新たに起こった事件を解決する話です.

今回の事件は「指を吐く花が咲き,花を食べる」話です.
この部分だけ取り出してもだいぶ意味不明ですが,いつもどおり安定の狂気にあふれた一冊です.今回で,また狐関係のストーリーがひとつ進んだわけですが,今後このシリーズが何処に進んでいくのか全く予想もつかないので,次の巻も楽しんで読めそうな気がしています.


よくよく考えてみると,ここまでのB.A.D.シリーズを通して,食べるということと孕むということはよくテーマとして取り上げられている.
実際,メインの二人も,繭さんはチョコレートを食べているし,小田桐くんは鬼を孕んでいる.
互いに自分とは異なる何かを自分の中に含むということである.
これらの違いとしては何があるのだろうか.
この二つのキーワードについても今後なにか明らかにサれていくのだろうか楽しみです.