人間とは元来コミュ障なのかもしれない

リアルが忙しくて,長らく本を読んでいなかったのでリハビリ中です.

フィクションの主人公は折れても立ち上がろうとするのに, なぜ現実はそんな簡単にいかないのかということを考えている今日このごろです. コミュ障だってコミュ障なりに頑張っている人たち(フィクション)を見て,今日も頑張ろうと思う僕なのでした.

この物語は主観がテーマになっており,同じものを見ても登場人物それぞれの視点によって違う様に語られています. 叙述トリック...とは少し違うが,登場人物のそれぞれの視点から見ることで事実が異なった見え方をするという不思議な体験を読者に感じさせる作品です.

登場人物たちのすれ違いを描いた物語でありながら, 「どこかでみんながそれぞれの主観を持ち寄って,同じ視点に立つことができたなら,何かできたのだろうか. 何も変わらなかっただろうか」という文章が印象的でした.

登場人物の数だけ物語があるというのは「文学少女」シリーズでも取り上げられていたテーマですが, この作品はまた別の観点・形で表現されているので,「文学少女」シリーズが好きな人は好きになれる作品かと思います.

あと,ちょこちょこ出てくる主人公の書いた小説「ヘンテコ王子とナントカ姫」の内容が気になる