四季 春
著者 :森博嗣
分類 :小説
総合評価 :★★★★
文章 :★★★★
内容 :★★★★
キャラ :★★★★★
「すべてがfになる」の外伝的な位置づけの本。
先に「すべてがfになる」のほうを読んでいないとついていけないかも。
この本はミステリーというよりは一人の人間(真賀田四季:「すべてがfになる」の登場人物)の心の動きを楽しむ本という感じ
天才の生涯を描くというコンセプトらしい。
ところで、天才を脳内でシミュレートすることはできるのだろうか?
シミュレータというものは何かの上で疑似的に目的となるものを再現しなければならない。
つまり、元の能力を上回るようなことができないという問題が本質的に存在する。
そうすると、凡人の頭では天才の頭をシミュレートできないのではないかという結論にたどり着く。
しかし、完全に不可能というわけではない。
方法1:外部の力を借りる
暗算が早いというキャラを脳内でシミュレートする場合に電卓を使うなど、
シミュレートするときに外部に頼るという方法がある。外部にある機器の性能・柔軟さに依存する。
現実のシミュレータの例:
・CPUでは無理だからGPUを使う
(ソフトウェアじゃ無理だからハードウェア(専用回路)を使う)
方法2:時間方向に引き延ばす
実際に天才が一瞬でやることをシミュレーションの際には時間をかけて行う。
現実のシミュレータの例:
・物理シミュレータ等(実際に現実空間で行えばリアルタイムで行えることを、仮想空間上で場合によっては時間をかけて行う)
・量子コンピュータシミュレータ(量子コンピュータで行えば高速と呼ばれているアルゴリズムを古典コンピュータ上で時間をかけて実行し性能を調査する)
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