実践量子化学入門
分類:入門書(ブルーバックス)
著者:平山令明
総合評価 :★★★★★
分かりやすさ:★★★★
文章 :★★★★
情報量 :★★★★★
たまには化学もというノリです。
一見難しそうに見えますが、高校生レベルで十分読めるようになっていました。
ちなみに同梱されているソフトは体験版ですが、実際買うと20万ぐらいするそうです。
→MOPAC
そういえば先日開催された化学グランプリ(一次選考)に参加したのですが、あまりにも周りのレベルが高くてびっくりしました。なんだか頭の悪い自分ひとりが浮いている感じで、誰か仲間を連れて行くべきだったと後悔しました。
それでもちろん結果は壊滅しました。
今後受ける人のためにアドバイス
・ブルーバックスの化学関連の本を読んでおくといいかも
・あまり自信のない人は受けないようにしましょう(僕の二の舞になりますよ)
////////////内容(相当暴走してます)////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
スピン量子数
電子のスピンには二つの方向がありそれらはついになっている
例え 電車の窓側と通路側でセットになった席
主量子数
エネルギーの大きさによって入る場所が異なる(エネルギーの低い場所から順に電子は埋めていく)
電子核を決定する(エネルギーが低いほうからK、L、M、N殻)
そのエネルギーは離散的(飛び飛びの値)である
例え 列車のグレード(一等車、二等車、など、1.5等などの中間はない)
方位量子数
同じエネルギーの大きさで複数用意されている場所
例え 列車の車両(同じグレードで複数席があるそのまとまり)
電子の動く軌道を決定する
磁気量子数
同じ主量子数、方位量子数であっても異なる組に分けられるもの
例え 列車の中での食事のメニュー
起動の動く向きを決定する
電子はエネルギーの影響を受けやすいので、電子の正確な位置を知ることはできない(不確定性原理)
→電子は波として振舞う
あらゆる物質は波として振舞う可能性を持っており、それは質量m速度vとして
λ=h/mv
(h=プランク定数)
と表される
分子軌道法
分子の軌道を求めるとは、原子軌道を表す式の係数を決定することとエネルギーを決定することです
この計算をすると複数の軌道が求められ、そのうちもっともエネルギーが低いものが安定ということになります。
また分子軌道エネルギーがマイナスの状態を結合性分子軌道といい、反結合性分子軌道という。
結合性分子軌道の内、エネルギーが高い軌道ほど反応を受けやすい(特に電子のたまっている場所が反応を受ける)
この結合性分子軌道の内、エネルギーが最も高い軌道を最高被占分子軌道(HOMO)といい、逆に非結合性分子軌道の内、エネルギーが最も低い軌道を最低被占分子軌道(LUMO)という。
LUMOは電子の入っていない軌道(空軌道)で最もエネルギーが低いのでHOMOにエネルギーを与えるとLUMOに移ろうとします。
このLUMOとHOMOを合わせてフロンティア軌道という。
共役系…単結合と二重結合が交互に並んでいる結合
光 波長が短いほどエネルギーが大きい
共役系が長いほど電子が広く分布するので、LUMOとHOMOの間のエネルギーが小さくなり、長い波長の光を吸収するようになる
電子は原子核に比べてずっと軽くすばやいので原子核をとまっているものとしてみることができる(ボルン-オッペンハイマー近似)
しかし、電子同士が相互に及ぼしあっている影響は原理的に求めることができない。このように3つ以上のものの相互作用は正確に求められないという問題がある
(多体問題)
多体問題を解決するための近似
1つの電子について考えるとき他の電子から受ける力を平均化してひとつの力とみなした上で考える(一電子近似)
これを使うためには力の平均化を正確にやらなければならない。そのために使われる方法が「自己無撞着場法」(SCF法)である
一電子近似+変分法
一電子近似を使うと近似なので安定であるエネルギー(最も低いエネルギー)より大きくなる。しかし、何度も近似を行いエネルギーがより低い方向を見つけていく
これを行うためには十分な回数繰り返し計算することが必要になる
別の近似法
「ab initio法」かなり正確な値を出すことができるが膨大な時間がかかる
コメント