Ph.D. じゃない

僕たちはドクターじゃない
著者  :京本 喬介
イラスト:しらび
分類  :小説
総合評価  :★★★★
文章    :★★★★★
内容    :★★★★
キャラ   :★★★

Ph.D. ではなく医師のドクターです.
特別医学生という(おそらく架空の)医療行為の行える学生を主人公にした話です.学生と医療の組み合わせという普通相容れない2つを混ぜている点がこの本の見所です.
また,比喩の言い回しが独特なのが面白いです.
始めに
「薄幸の少女がすすり泣いているような暗澹たる夜が建物全体に覆いかぶさっているように思えた」
という文章が出てきた時,とっさに読み直してしまった.
この比喩が表していることを簡潔に述べよという感じの国語のテストに使えそう.
特にお気に入りの比喩は次の文章
「あたりを漂う,まるで幽霊が目の前を通り過ぎるのを見たが半信半疑になっている,という感じの変な空気を吸い込むことは,できそうにない」
この文章の比喩から入って否定で終わるというワンツーパンチやばい.
逆に,フォアグラの作り方でチューブをムカデの足に例えたのはわかりやすかった.

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