情報系はよくシンクロする。
という経験則があります。
同じ分野であればシンクロするのは当たり前なんですが、
特に情報系は多い気がするのは気のせいなんだろうか
著者 :兎月山羊
イラスト:笹森トモエ
分類 :ライトノベル
総合評価 :★★★★★
文章 :★★★★
キャラ :★★★★
内容 :★★★★★
最終巻です。
最後に化けました。
出だしは若干急展開でどうなることかと思いましたが、
ラストでは伏線もほぼ全て回収して若干の余韻を残して綺麗に終わりました。
終わりが良い物語は良作として心に刻まれますよね。この作品は通して非常におすすめです。
今回の笑いどころはなんといっても「デルタ区間結界」でしたね、
敵がご丁寧に説明まで加えてくれています。
理系大学生にしかわからないネタでしたが、上手いと思ってしまいました。
最後なので物語全体を通して自分の意見も書いておこうと思います。
この物語のテーマはなんといっても「アンチリテラル」ですね。
自分は理系にも関わらず数学・物理法則が嫌いです。
以外に思うかもしれませんが、嫌いだからこそ打ち破ってやりたいと思って、この分野にいます。
世の中には2種類の”法則”と呼ばれるものがあります。
一つはある仮定のもとで成り立つ”法則”ともう一つはいわゆる経験則です。
まず一つ目の”法則”については多くの場合で前提が成り立っていない場合が多いです。
例えば、「摩擦がない環境下では~」のようなものです。
数学の法則もこれに含まれますが、数学の公理と呼ばれるものがこの仮定に当たります。
公理の幾つかには認めるかどうかには多説あります。
2つ目の”法則”は帰納的推論によるもので論理的に正しい保証はないです。
それぞれの法則について「アンチリテラル」の立場からみてみると
1つ目の”法則”に関しては、既に素晴らしい「アンチリテラル」が存在します。
それはゲーデルの不完全性定理です。
ここでは詳細を省きますが、数学には決定不能な問題があるというのがこの定理の言わんとすることです。
自分が感動した定理の一つですが、最高の「アンチリテラル」だと重ます。
2つ目の”法則”で最も大きなものが「死」だと思っています。
「人はいづれ死ぬものである」というのは割りと自然に認められていますが、あくまで正しそうな経験則です。
ここを議論するのは宗教の分野だと思いますが、旧来の宗教ではこの法則を真理などと言って自明のことと扱っています。
今後、もう少しこの辺りを詰めたような新しい宗教が生まれて欲しいと思っています。
もしくは、この”法則”を打ち破るような「アンチリテラル」が生まれて欲しいと思っています。
ちなみに自分の目標はもちろん「アンチリテラル」ですよ