因果律が乱れる

数秘術大全
Numerology
or, what pythagoras wrought
アンダーウッドダッドリー
訳:夏森樹
総合評価  :★★★★
文章    :★★★★
内容    :★★★★

数秘術、特にピタゴラスに関しての本です。
ピタゴラスについてよく知らない人は、ピタゴラスを数学者だという人が多いですが、
自分としては数学者的な側面ももちろんありますが、
どちらかと言うと秘密結社のトップや宗教の教祖といった印象があります。
この本は数秘術ということもあり、後者に重点をおいた本です。
こういった神秘主義系の本ではよく論理関係が崩壊していて読みにくいという事が起こります。
しかし、この本はそういった読者の気持ちを汲み取ってか
「神秘主義では結論が理屈を決定する」
と述べたあとで、地の文に関しては比較的論理的に書いてあります。
なので、普段こういった本(占い・宗教などの本)をあまり読まない人でも読むことができると思います。
さらに、こういう本には珍しく訳も非常に自然でした。


===== メモ ==================
ピタゴラス学派
数学:三平方
音楽:協和音程
数と神秘主義
天文
ピタゴラス学派
神秘→数秘術へ
数学→「幾何学原論」エウクレイデス
論理:ゼノン,パルメニデスが確立
ピタゴラス教団は
アクスマティコイ:聞き手
マテマティコイ:学者
に分かれていた
BC1
新ピタゴラス学派
「数論」:イアンブリコス
・「数論」:ニコマコス
・「10または10からなるものについて」:アナトリオス
算術 モナド「1」:数の源泉,普遍性
モナス(ギリシャ):万物の源が語源
音楽 ダイアド「2」
幾何 トライアド
天文 テトラド
ペンタド,ヘクサド,ヘブドマド,オグドアド,エニアド,...
ゲマトニア ギリシャ語のアルファベットと整数を対応付ける
ひと通りではなく数列で割り当てるなど様々な割り当て方があり都合の良い物を選ぶこともしばしばある
A:ゲマトリアの数値:和
B:ピュトメネス:出現数字の和
C:ピュトメン:ピュトメネスの各桁の数字の和
A*C=「長い名前」
ゲマトリアA=100,B=101,…のようにして割り当て6文字の人の名前の数値の話を666にするのは容易
666:ヨハネ黙示録13章18節:獣の数字
「数の神秘」:バンガス
細かい数の一致を集めた本
同名で同じような本をアンネマリーシンメルも出している
魔法陣:各行,列,斜めの和を15にするような9つの数の並べ方
他にも亜種が多々ある
数秘術でよく出てくる各桁の和というのはmod 9 と同値
小数の法則:リチャード・K・ガイ
「小さな数は少ないので小さな数の実例では偶然の一致が起こりうる」

x_{n+1}=(1+x_0^2+x_1^2+…)/(n+1),x_0=1
は整数かどうか
これはn=43で整数でなくなるので正しくない。しかし小さい値では”偶然に”成り立つ
概数の法則
「割り当てられた仕事を十分に果たすことのできる概数は存在しない」
証明??)概数は小数と同じほど希少である
数と事物の関わり
アメリカ革命と57
聖書と7:この関係をひたすら探し続けた人:パニン(50年間)
パラグラム:言葉の文字をひとつ入れ替えたりする言葉遊び
(かなりマイナーな言葉)
数秘術のパラグラム
文から3角数のゲマトリアを用いて数値に変換し2300となるような文を見つける遊び
リトモマキア:数を使ったゲーム
序数の色・形
フランシスガルトン
数字に色がついていたりや形があったりする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です